私が初めてカレーを作ったのは、小学5年生の頃だった。
料理が得意な父と一緒に台所に立ち、教えてもらった。
うちのカレーは豚肉を使っていて、脂身の多いところは時々取り除いていた。
カレー粉は2種類あった。記憶では、バーモントカレーともう一つ。
私と弟のために、甘口のバーモントカレーと中辛のカレー粉を混ぜて使っていた。
結婚して、初めて友達を家に招いたとき、何を作ろうか考えた。
気取ったものを作るより、安心して作れるカレーをお昼に出した。
それぞれ『美味しい!』と言ってくれたが、1人が『なんか昔からお母さんが作っているカレーみたいだね』と言った。
褒められているのか、何なのか。
ちょっと後味が悪かったことは覚えている。
それからも、機会あるたびにずっと作り続けてきた、私の定番カレー。
『自分で作っても、なかなかこの味は出せないんだよね』。
そう言っておかわりしてくれる息子の言葉が、いちばんの褒め言葉なのかもしれない。


コメント