毎年この季節になると、テレビで京都や奈良の紅葉のCMをよく見かける。
今年は、どこに行こうか。
家族の提案で、この連休に福島県の浄土平に行ってみることにした。
浄土平は、磐梯吾妻スカイラインの中間地点にある、1600メートルの高地だ。
火山荒原や湿原が広がり、磐梯朝日国立公園の一部にも指定されている。
紅葉の見頃は9月下旬から10月上旬。まさに見頃の真っ只中だ。
駐車場も混みそうなので、まだ暗いうちに車で出発した。
途中のサービスエリアで軽く朝ごはんを食べ、浄土平へ向かった。
7時前に着いたが、駐車場にはすでに多くの車が並び、家族連れや登山客でにぎわっていた。
私たちも、さっそく歩いてみることにした。
事前に調べたところ、入り口から火口周辺に向かうには、まず270段の階段を登るらしい。
270段も登れるだろうか…。
私は車で待っていようか…。
いろいろ考えながら、とりあえず、入り口へ向かった。
駐車場に着いた時から、周りは霞んでいて、すぐそばにあるレストハウスの屋根さえも、霞んで見えた。
せっかく時間をかけてきたのだから、景色が見えなくても、登れるところまで登ってみよう。
少し自信はなかったが、周りの人たちがすたすた登っていく姿に背中を押され、階段を登り始めた。
赤や黄色に色づいた木々は、とてもきれいで、訪れた人たちは思い思いに写真を撮っていた。
階段を登り切ったあとは、それ以上歩く自信がなかったので、私はそこで引き返した。
帰り道には、岳温泉で日帰り温泉を楽しんだ。
岳温泉は、安達太良山の麓にある温泉地で、全国でも珍しい酸性泉として知られている。
私たちが入ったお湯は乳白色で、疲れた体がじんわりと温まった。
温泉でゆっくり温まったおかげか、270段の階段を登った疲れも出ていない。
硫黄のにおいを感じたのは、箱根の大涌谷以来だろうか。
紅葉と乳白色の温泉に癒された、一日だった。

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