今では、誰もが知っている『ボロネーズ』。
私が初めて食べたのは、中学生の頃だった。
その頃、友だちと大好きだった『宇宙戦艦ヤマト』の映画を観に映画館へ行った。
その帰りに、大きなスーパーの中にあった洋食店で食べたのが最初だった。
メニューが飾られたガラスケースの中に『ナポリタン』、その隣に『ボロネーズ』と書かれたメニューがあった。
初めて聞く名前だったので、『これ、食べてみない?』と友だちと注文したことを覚えている。
私の実家は、父が料理上手だったので、洋食のメニューは夕食に登場することも多かった。
ただ、パスタはほとんど食べた記憶がない。
ナポリタンは、外食したときに食べたことがあったけれど、ボロネーズを食べるのは初めてだった。
運ばれてきたボロネーズは、ミートソースの上に大きなお肉がゴロゴロとのっていた。
本当においしくて、友だちと顔を見合わせた。
その後、何度かそのお店にボロネーズを食べにいった。
けれど、高校生になると生活圏が変わり、そのお店を訪れることはなくなってしまった。
スーパーの片隅にひっそりとあった、あの洋食店のボロネーズ。
大人になってから、洋食店やイタリアンのお店で、何度かボロネーズを注文してみた。
大きなお肉がゴロゴロ入ったものや、ファミレスのものなど、いろいろ食べてみたが、あのときのシンプルなボロネーズを超えるものには、いまだに出会えていない。
ずいぶん昔の話なので、お店の名前は忘れてしまった。
それでも、蝶ネクタイをした男性が料理を運んでくれてきた瞬間や、一緒に食べた友だちとの時間は、今でも忘れられない。


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